2014年05月21日

サマースクールやホームステイの前にやっておきたいこと

僕の人生において初めてとなるホームステイは、2012年の夏、カナダのBC州Kelowna(ケロウナ)という街。
無事にステイ先に到着して自己紹介が終わると早速家の中を案内され、ベッドルームやらシャワールームやらキッチンやら、僕らが使用するエリアの説明を受けた。
そんな中で、こんなやりとりをしたことを今でもよく覚えている。

ホストマザー「ストーブの使い方はわかる?」

僕「ストーブ?暑いからたぶん使わないので大丈夫です。」

ホストマザー「?」

キッチンでガスレンジの使い方を教えようとしてくれたホストマザーは、僕の言っている意味がわからなかったようだ。
僕もしばらくはなぜ会話が噛み合っていないのかわからなかったのだけど、彼女が実際に火を付けるやり方を僕に見せてくれて、はじめて僕は”ストーブ”が”ガスレンジ”のことだと気がついた。(正確には”ストゥブ”って聞こえます)
彼女はそんなことには気にもせずに、キッチン用品の使い方や、冷蔵庫や戸棚にふんだんに用意されている食材の名前や調理法などを次々に説明していった。

一般的なホームステイでは、基本的に食事は自分で作らなければいけない。
晩御飯だけはホストファミリーが毎日もてなしてくれるのだが、朝食と昼食は自分で作る。(あくまで原則)
キッチンにある食材などは自由に使ってよく、それで何か好きなものを作っても良いし、自分で食材を買って来て持ち込んでも良い。
しかし、日本にいるときには特に意識しなかったことなのだが、これが実に大変なことだった。
料理することではない。
息子が生まれる前から毎日家事をしている僕にとって、これはいつも通りのことだ。
問題は、”言葉”だった。
僕が当然通じると思っていた言葉が、まったく通じない・・・
向こうが言っているモノの名前が、何かわからない・・・
それまで漠然と僕が”英語”だと思っていた単語が、実際のところ”英語”ではなかったのだ。
まさかホストマザーも、こんな生活に密着した基本的な英単語が通じないなどとは夢にも思っていなかったことだろう。
ホームステイをしにカナダまではるばる日本からやってくる人間が、まさかこんな言葉を知らないなんて思うわけもない。

僕「ええっと...このピーマン...じゃなくて、パプリカ?...グリーンパプリカ...」

ホストマザー「? グリーンペッパーのこと?」

全てにおいて、こんな調子だった。


台所・料理用語を意識して英語を勉強する人は、たぶん少ないだろう。
そして食事をするときの、ちょっとした褒め言葉や会話についても同じことが言える。
しかし、ステイ先でホストファミリーと過ごす時間の大半は、調理と食事の時間だ。
ここでの会話が弾まないと、ホームステイの成功度合は大きく半減する。
毎度毎度バカの一つ覚えのように”テイストグッド”や”デリシャス”では、もてなすほうも白けてしまうだろう。

一年目の苦労を経験した僕は、キッチンや食事中での英語を学ぶためにどうしたらいいのかを、日々を暮らす中で何となく考えていた。
英語での料理教室もあるだろうが、そんなところに通う時間もないし、勇気もない。
しかし、料理番組好きの息子が偶然いいものを見つけてくれた。
息子がipadでYoutubeサーフィンをしながら、どこから探し出したのかわからないが、一人でこれを見ていたので僕も一緒に見るようになった。

 



 

アメリカでは絶大な人気を誇るgiada at home (邦題:ジャーダのおもてなしレシピ)
テレビ番組のアカデミー賞ともいえるエミー賞も受賞した番組だ。


giada_at_home

BSチャンネルのDlifeで現在毎朝7時から放送中のこの番組は、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外に住むジャーダが、趣向を凝らした料理で友人たちをもてなすという、一味違った料理番組。
毎回さまざまな理由でパーティーを開く彼女は、ゴージャスな家にいかにもセレブな客たちを招き(慈善活動や地域活動にも熱心で、そういう回もある)、優雅なひと時を過ごす。
バックにはカリフォルニアの青い空と青い海。
朝からなんとも贅沢な番組だ。
およそ20分くらいの調理の間、彼女はひたすらしゃべり続ける。
日本の料理番組と違い、アシスタントがいるわけではない。
ひたすら一人でしゃべりまくる。
しかし、これが英語の勉強になるのだ。
料理や食材の基礎単語や、さまざまな作業の説明、ちょっとした味の感想やリアクションの仕方を、20分間休みなく喋り続ける。
こんなにも味や動作の表現方法があるのかと、見ているこちらが感心してしまうほどに。
そして料理が出来上がったら、お待ちかねのパーティーが始まる。
ここでの会話もとても参考になる。
褒め方、驚き方、場を和ませるジョーク・・・
こんな風に振る舞えたら、さぞかしホームステイも楽しくなるに違いない。


さて、この番組の主役でもあるジャーダ・デ・ラウレンティス(Giada De Laurentiis)、生活ぶりからして見るからに”ただもの”ではないわけだが、調べてみたらやはり”ただもの”ではなかった。
彼女はイタリアのローマで生まれている。
そして物心つく頃には、おじいちゃんが経営するレストランの厨房で遊んでいたとのことだ。
そのおじいちゃんとは、イタリア映画界のドンこと、ディノ・デ・ラウレンティス。
彼は映画好きなら誰でも知っている数々の名作をプロデュースしている。

フェリーニの『道』、オードリー・ヘプバーンの『戦争と平和』、アル・パチーノの『セルピコ』・・・

そしてアメリカへ移住した後は、SF・ホラー・サスペンス映画の剛腕プロデューサーとしてアメリカ映画界にも君臨する。

リメイク版『キング・コング』、クイーンの主題歌でお馴染みの『フラッシュ・ゴードン』、シュワルツネッガーの出世作『コナン・ザ・グレート』、怪人ハンニバル・レクター博士を主人公とした一連のシリーズ・・・

彼はアメリカ中にいくつも撮影スタジオを構え、配給会社も経営。
そしてローマとオーストラリア・ゴールドコーストにも巨大スタジオを作った。
現在そのゴールドコーストのスタジオは、映画のテーマパーク「ワーナー・ムービー・ワールド」に隣接する映画スタジオとして、巨大映画テーマパークを形成している。
一族はみな著名な映画関係者・・・、ジャーダはやはり”ただもの”ではなかった。
あの毎度毎度のみごとなオモテナシは、彼女が物心ついた頃からの”日常風景”であり、身に沁みついているものだ。
学ぶべきところは、たくさんある。



ただ一つ残念なことはと言えば、来週からシリーズが変わり「毎日がイタリアン〜ジャーダのカジュアル・クッキング〜」となってしまうこと。

あろうことか、吹き替え版で・・・





posted by 岡昌之 at 13:54| Comment(0) | 父子旅 準備編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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